回帰
2018/野焼きした粘土、iPad
exhibition:個展「手のひらと足の裏」
自分に都合のいいものだけが、理想的なものになるとは限らない。液晶画面の中に映る理想的な存在じゃなくてもいい。土は昔も今も変わらず、人間の歴史を映し出し、全てを享受している。きっと粘土は多様な性格、中間的な存在に成りえる。土を掘り、形をつくって、野焼きをして土像をつくる。残った欠片を拾い集めて、存在の再構築をする。それらの多重な工程のレイヤーと僕と他人の関係をつくる日常生活の積み重ねの工程はどこか似ている。「かたち」というものは変容を続けてもまた形になる。それは無限に繰り返す。生活形態や人間関係と同じだ。(個展「手のひらと足の裏」より)